【旅の準備】超初心者向け海外旅行ガイド㉓旅の安全_2

超初心者海外旅行入門

海外の空港に着いてターミナルの前に立った時、「どうやってホテルまでたどり着こうか」と不安が先に立っている間は、ある意味安全です。海外にいるという緊張感が安全を引き寄せます。旅の回数を重ねて次第に慣れ、緊張感がなくなったときにトラブルに見舞われるのではないでしょうか。

前回に引き続いて、旅の安全を守るための基礎的な知識の紹介です。ここでは海外旅行の初心者が安全を保つ工夫についてまとめました。

ひとりで航海する人生の大海、理性は羅針盤、情熱は疾風  アレキサンダー・ポープ(1688–1744)イギリス  詩人

基本的な実践(つづき)

⑦ タクシーの利用
・ホテルからどこかへタクシーで行く場合にはホテルのドアマンにタクシーを止めてもらいましょう。ドアマンに行き先を告げれば、ドアマンがタクシー運転手に行き先を伝えてくれ、安全に目的地に行くことができます。少額のチップを忘れずに。
・夕食でホテルから遠いレストランを使う場合、安全にホテルに戻るよい方法は、まず、ホテルのコンシェルジェにレストランの予約をしてもらいます。ホテルの名刺を持参し、レストランの清算をする際に、お店の人にホテルの名刺を使って行き先を告げてタクシーを呼んでもらい、タクシーに乗ります。
・他の場所からホテルに戻るときにも、窓越しにホテルの名刺をタクシー運転手に見せて、運転手がうなずいたらタクシーに乗ります。言葉が通じなくても現地の言葉のホテル名を運転手が理解してくれればホテルに戻ることができます。
・海外でタクシーに乗るコツは、着いたらお金を払う前に自分でドアを開けて(自動ドアはありません)降ります。前側の窓越しに運転手を覗きこむと、窓を開けてくれますので、メーターの料金を渡します。お釣りの一部をチップで渡します。これを習慣にすると、トラブルにも会いにくいと思います。
・いろいろな都市で走っているバイクタクシーは慣れればタクシー代わりに乗れます。ツクツク(バンコクなどの3輪タクシー)やシクロ(ホーチミンなどの自転車人力車)、トライショー(マラッカの自転車人力車)などは移動手段というより観光用だと割り切る必要があるでしょう。昔からある乗り物ですが、タクシーの出現でこれらの運転手は過去の職業になっていて、運転手は足元を見て料金をふっかけますし、トラブルも起こりやすいです。
深夜の女性のタクシー一人乗車は100%避けた方が良いです。運転手から襲われる危険性があります。どうしても深夜に一人乗車する必要のある人は、運転手の身元がわかっているハイヤー(運転手付きレンタカー)を利用することを強くお薦めします。日本で予め予約できなければ、ホテルのコンシェルジェに予約してもらうことができるでしょう。
・新興国でのタクシーのトラブルの多さは現実として受け止めましょう。日本のタクシーの品の良さは群を抜いています。現地の為替レートや物価を考えると遠回りの金額差も些少ですから、多少のことにはかまわないほうが時間を無駄にすることもないと思います。クーポンタクシー(乗車地で乗車前に行き先ごとに異なる料金を支払いチケットを買う)がある場合には使ってもいいと思います。メーターを使った正直走行よりも少し高くなりますが、遠回りもないですし、渋滞時の迂回も運転手が最も早く着く選択をしてくれますので、気分良くタクシーに乗れます。

⑧ 現地の人からの声掛けには100%断る
・海外の都市で一人歩きをしていると、しばしば親しげに声をかけられます。特定のタイプというのはなく老若男女いろいろな人がいます。現地の人には日本人だと知ると、きっかけが欲しくて言い寄ってくる人は多いようです。英語も達者で、見ようによっては「いい人」にも見えます。このような場合も私は2言3言会話して分かれるようにして、それ以上のお付き合いは避けます。バンコクではカード博打に誘われて睡眠薬強盗の被害に遭ったとか、南インドでは麻薬に誘われたとか、有名な話があります。私自身の経験としても、何だかよくわからないのですが、イスタンブールで若い男性から訪日の保証人になってくれないかと相談を受けたことがあります。協力してやれなくて済まないとは思いましたが、お断りしました。

⑨ 衛生に注意
・注意を要する食べ物は、たんぱく質です。生ガキは厳禁。必ずグリルしてもらうこと。日本食は日本人がオーナーの店であれば大丈夫でしょうが、現地では高価です。生卵は外国の人は食べません。唯一の例外はハノイのフォー屋では生卵を割り入れていたのを見たくらいです。
・水は常にペットボトルの水を飲みます。慣れないうちはボルビックやエビアンなど名前がよく知られたものを飲む方がいいと思います。現地のものを飲むのには慣らし運転が必要です。
・田舎に行って、泊まったホテルにペットボトルの水がなく、水道水を飲まざるを得ない時には『正露丸』の粒を入れて水を飲むか、コイルヒーターを使って湯を沸かし、飲むようにしています。旅の持ち物の中に『正露丸』やコイルヒーターを入れて行きます。
・現地の屋台では親切心でビールに氷を入れようとするところがたくさんあります。現地の衛生に馴染むまでは、ホテル以外では氷を口にしないほうが良いと思います。
・よく火が通ったものであれば、屋台料理も安全だと思われます。現地の人たちが生ものを口にすることはハーブ類などの野菜以外はありません。熱帯地方では冷蔵庫のない日の当たる露店の肉屋や魚屋も多く、鮮度も不明ですので、油を使った料理が多いのは安全上の理由だということがわかります。

⑩ ホテル滞在中の外出
・現地での移動には地図利用が基本です。ただ、調べるときには必ず立ち止まって。道に迷いながら歩かないように気をつけます。犯罪者が周りから目をつけているかもしれません。
・買い物の荷物があっても、街歩きのときは必ず片手は空けておきましょう。ひったくりなどに遭った際の防御のためです。両手が塞がっていると、とっさの行動がとれず、おそらく、されるがままになりそうです。
・屋台でも路上の物売りでも、お店でトラブルになった経験はありません。

現地で実際に大きなトラブルに遭ったら

お金も航空券も失くした。パスポートを盗まれた。
敷居は高いですが大使館、ないしは領事館に行きましょう。決して犯人とは争わないこと。警察に行く。大使館/領事館にコンタクトする。航空券の紛失であれば航空会社に相談する。これが解決の糸口です。

現実のトラブル(私が実際に経験したこと)

・ホーチミン空港を出たところで出張用アタッシュケース盗難:出張で現地スタッフとの待ち合わせ。迎えの車を探すために同行者にバッグが乗ったカートを頼んで、カートから目を離し、車を探した瞬間にアタッシュケースを持ち逃げされました。~自分の荷物の管理は自分の責任です。他人任せにしたことを反省しました。


・パリの凱旋門傍の歩道上で少年から抱きつかれた。彼の手はジャケットの内ポケットを探ろうとしたが、ボタンで留めてあったため幸運にも被害なし。
・ナポリ中央駅の駅前で若い男性からスラックスの横ポケットに手を突っ込まれて中を探られました。20ユーロ程度が裸で入っていたと思いますが、すぐ気づいたので被害はありませんでした。
・ローマ、ミラノの地下鉄内で集団によるスリの手口を2度も目撃。ターゲットを決めると4~5人で周りを取り囲み、近くで第6の仲間が突然ギターをかき鳴らし、乗客全員の注意を引いて、取り囲んだ中の一人がターゲットの人から財布を掏る。次に停まった駅で全員が下りて逃亡。ほんの一瞬の出来事でした。
・イスタンブールの空港でタクシー運転手からの2重取り。市内から空港に着いたところで、パートナーが財布から50トルコリラ札を出して運転手に渡し、2,3言言葉を交わした後降りようとしたら、運転手は料金をもらっていないと突然言い、怒り出す。払った払ってないで口論となったが、パートナーの顔が青ざめていたので、半分のお金をチップだと言って強引に渡してタクシーを降りた。運転手は何も言わず走り去った。~私が車から出ようとドアを開けて出ようとした瞬間にパートナーが日本の習慣でお金を払ったのが仇。降りてから払うべきでした。一瞬の隙をつかれました。
・パリのルーブル入り口前でパートナーが所持していたカメラを取り上げられ、写真を撮られた。撮影代を払わないとカメラは返さないと言われ、20ユーロで決着。
・ホーチミンで出張の同行者がウエストポーチをナイフで切り裂かれて、中味をすべて失う。~現場を見ていないので詳細は不明だったのですが、貴重品をすべて1か所に集めて所持していたとのこと。リスク管理が必要だと痛感しました。
・地場ホテルのフロント内のおじさん。従業員のようではあるが、パスポートのコピーを取るから出せとしきりに言われた。チェックイン時に見せていたのでどうもあやしい感じがして、言葉が通じないふりで、無視しました。

 

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